
●群馬県の上毛新聞社の高崎のみ約62000部毎週金曜に
発行の折り込み紙です。月末の連載予定です
楽しみにしてください
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倉渕・権田『雪の烏川』
2月になって雪の降る日が何回もありました。若い頃はスキーが大好きで、天気図が西高東低になり、雪が降ると心がうきうきしていました。ところが教室を始めてからは「今日は雪で困ったな。生徒が来られない」なんて思うようになっていました。
そんな私が朝、目が覚めて雪の降っている屋根を見てうきうきし始めました。頭の中は「あそことあそこを描こう!」とくるくると今日一日のことを考えます。前橋の町を描くとすぐに高崎に向かいました。少し前、雪の日の家並みを見せてもらい、「こんな絵を描けないかな?」って言われていました。少林山から家並みを描いたことがあるのを思いだしたからです。
雪かきをしていない道は少し不安です。でも、ずっと続く屋根を見たとたん、私の口から鼻歌が出てきました。いつものクレヨン鉛筆でさっと描くと、いつもより絵の具をつけない筆で塗っていきます。白い部分は塗らずに残していくのです。
このまま烏川を上ってもっと描こうと思いました。以前、「桃屋の看板娘」の記事を書いたとき、看板娘の娘さんが倉渕の学校の先生で、木の外壁の学校であることを聞いていたので雪の中で見たいと思ったのです。ところが良いアングルが見あたりません。くるくる回っていると権田の橋のところがきれいです。
1年前、倉渕幼稚園を描きに来たとき、道を聞こうと「だんご」の看板を見つけました。角の店なのです。「そうだ、おなかもすいたし、団子を買いながら道を聞こう」とお店に入ると中には団子がありません。「あ、団子ないんですか?」と聞くと、中から出てきた奥さんが「うちは団子置いてないな」。頭の中が「はてな」でいっぱいになりながら、道を聞きました。もう1回外に出て看板を見ると地名の「権田」が読みづらいのか、ひらがなで「ごんだ」と書いてあったのです。食いしん坊の私が読み間違えたのです。
そんなことを思いだしながら、店の前の橋から烏川を描きます。ががががが…と雪かきの車が通ります。シンシンと降る雪は、川の石のケーキにかかったスフレのクリームのように見えます。雪の絵は思ったより自分でもお気に入りの絵になりました。
私の心はおなかをすかせた子供のように雪もお菓子も大好きなんだなと、すっかり夕暮れになった道を帰っていきました。
雪景色にうきうき