
●群馬県の上毛新聞社の高崎のみ約62000部毎週金曜に
発行の折り込み紙です。月末の連載予定です
楽しみにしてください
『赤塗りの作業』『音楽センターまでのイチョウ並木』
前橋での個展が終わりました。夏に行った東北のスケッチをまとめたミニ画集や来年のカレンダーもできあがり、すごくうれしい気持ちです。個展にはタカタイのファンの人もたくさん来てくれました。
今回は花でも描こうかと高崎市内を回っていたら、ちょうど「岡田だるま店」の色づけをしている所を見つけました。「作業を描いてもいいですか?」と聞くと、中にいるご主人に聞いてくださいとのこと。ダルマの顔を描く緊張した作業中におじゃましてしまい、私も緊張しましたが、快く了解していただけました。
作業場には白いダルマが並んでいます。描こうとすると「あと10分で終わっちゃうよ」との声。白のダルマは赤い塗料の中につけられ、瞬く間に色づいていきます。そのスピードは私の筆でも間に合わないくらいです。
段取りがよく、みんなの動きにそつがありません。「今度は金色のダルマだからね」と準備を始めました。ところが、ご主人が塗料のふたが閉まらずに四苦八苦しています。それに気づいた奥さんが「あ、私が踏んだみたい」と明るく言います。ふたが踏まれてゆがんでしまったのです。それでもなんだか明るく和やかな雰囲気です。奥さんは「あはは。この話新聞に書いちゃう?」って大声で笑います。
金のダルマは大きな平筆で一つ一つ色を塗ります。「一つ塗ってみる?」。私も初挑戦です。「うまいね。10個くらい塗っていかないかい?」とまた大笑い。大きな扇風機とすごいスピードの作業に感動しました。
その後、友達のお見舞いをしようと高崎病院への道を急ぎました。もうイチョウが色づいています。オスよりメスの木の方が色づきが早く、ギンナンもたくさん落ちています。彼女が一日も早く治って元気になってほしいと願いながら、夕陽をあびてキラキラと光るイチョウを描きました。
病室で絵を見せると、「あ、たかちゃん、そこだね」って…。看護婦さんも「原画なんか初めて見ちゃった」と喜んでくれ、みんなの笑い声が響きました。病院の中にひとときでも笑顔があふれるよう、新聞ができたらまた持っていきたいと思います。